HLRの基本的な考え方
HLR(Human Labor Requirement:人的労働必要量)は、社会インフラを維持していくために、将来にわたってどれだけの人的労働が必要になるかを考えるための指標です。
これまで社会インフラの評価では、建設費、維持管理費、機能、環境負荷などが主な判断材料となってきました。
しかし、人口減少や担い手不足が進むこれからの社会では、「お金がかかるかどうか」だけでなく、「支える人を確保できるかどうか」も重要な視点になると考えています。
HLRは、そうした人の観点から、社会インフラの持続可能性を見ようとする考え方です。
何を評価するのか
HLRでは、社会インフラを建設して終わりではなく、計画、設計、施工、運転、維持、更新、廃止に至るまでのライフサイクル全体を対象にします。
たとえば、現場での運転や点検だけでなく、発注者側の調整、監督、説明、さらには必要に応じて資材やエネルギーに関わる間接的な労働も含めて考えます。
つまりHLRは、あるインフラが長期的に社会へ求める人的負担を、できるだけ見える形にしようとするものです。
算出式


なぜHLRが必要なのか
人口減少社会では、インフラを維持するための人手そのものが、今後ますます限られた資源になっていきます。
その中では、初期費用が小さい仕組みであっても、長い目で見ると多くの人手を必要とする場合があります。
逆に、最初の投資は大きくても、長期的には少ない人で支えられる仕組みもあります。
HLRは、この違いを考えるための補助線です。
従来の評価指標を置き換えるものではなく、既存の評価に新しい視点を加えるためのものとして位置づけています。
まだ完成した指標ではありません
HLRは、現時点では完成した制度や基準ではなく、試算や議論を重ねながら育てていく考え方です。
実際のインフラ分野ごとに、どこまでを対象にするか、どう計算するか、どのように比較するかには、まだ検討すべき点が多く残っています。
このサイトでは、定義書の公開だけでなく、試算事例、改善の記録、議論の途中で見えてきた論点もあわせて公開しています。
HLRを、机上の概念にとどめず、実務の中で使える評価軸へ近づけていくことを目指しています。
本指標の提唱について
人的労働必要量(Human Labor Requirement:HLR)は、株式会社水未来研究所が提唱する指標です。
HLRプロジェクトについて
HLRプロジェクトは、社会インフラの持続可能性を「必要な人」の観点から見直すための取り組みです。
定義、試算、考察、更新を重ねながら、HLRという考え方を少しずつ形にしていきます。
ご関心のある方は、ぜひ定義書や試算事例もあわせてご覧ください。
