延床面積5,000m²の公共建築物の大規模改修を想定し、基準期間30年間で、A案(改修後は人手による月次巡回点検を継続)とB案(改修時にIoTセンサーを導入し、遠隔監視+四半期点検に移行)を比較した。
| 区分 | A案 | B案(単純人年) | B案(スキル重み付き参考値) |
| C(建設労働) | 37.5人年 | 38.5人年 | 38.5人年 |
| O(運転管理労働) | 0人年 | 3人年 | 3人年 |
| M(維持修繕・点検労働) | 31.5人年 | 10.5人年 | 15.75人年 |
| S(間接労働、差分算定) | 0人年 | 0.15人年 | 0.15人年 |
| 合計 | 69.0人年 | 52.15人年 | 57.4人年 |
単純人年ではB案(IoT自動点検)がA案よりHLR約16.85人年少ないという結果になった。点検業務の担い手を「目視巡回の一般作業員」から「データ解析を行う専門技術者」へ置き換わったとみなし、試行的にスキル重み係数(一般作業員1.0、上級技術者1.5、いずれも仮定値)を導入したところ、省人化の差は約11.6人年に縮小したが、B案が有利という結論の方向性自体は変わらなかった。
- 単純人年ベースのHLRは自動化による省人化を捉えられる一方、「省人化と高スキル化の同時発生」という質的変化を見落とす。
- 試行的なスキル重み付けを行っても結論の方向性が変わらなかったことから、HLRを案間比較・採否判断に用いる限り、質的重み付けは必須ではなく、必要に応じた参考値の任意併記で足りると考えられる。
