地域の年間電力需要(想定1万世帯規模)を対象に、基準期間30年間で、A案(既存火力発電所からの送電容量増強)とB案(地域内50箇所・合計出力10MWの分散型太陽光発電の新設)を比較した。
| 区分 | A案(集中電源) | B案(分散型再エネ) |
| C(建設労働) | 18.75人年 | 125人年 |
| O(運転管理労働) | 15人年 | 75人年 |
| M(維持修繕労働) | 9人年 | 11人年 |
| S(間接労働、差分算定) | 1.8人年 | 45人年 |
| 合計 | 44.55人年 | 256人年 |
試算上は、B案(分散型再エネ)の方がA案(集中電源)よりHLRが約5.7倍多いという結果になった。主因は初期設置の労働集約度(C)と、太陽光パネル製造の労働誘発(S)である。
- 間接労働(S)をパネル製造の労働誘発係数で算定しようとした際、必要なデータがLCA(ライフサイクルアセスメント)が既に評価している「資源採掘〜製造」のインベントリデータとほぼ重複することが判明した。LCAの資源投入データを流用してSを導出する「LCA連携算定」の枠組みが有効と考えられる(6.2節)。
- 海外製造の部材(太陽光パネル等)について、国内の産業連関表の労働誘発係数をそのまま適用すると、実際には日本国内で発生しない労働まで計上してしまう可能性がある。輸入部材の扱いは今後の検討課題である(6.4節、8章)。
- 事例2(浄水場)と同様、分散型は設置箇所数に比例して運転管理労働(O)が拡大する構造が再現された。分散型施設に共通する構造的傾向と考えられる(5.3節)。
